Q.原生林と人工林の違いはなんですか?

 

 森は大きく分けて、代償植生と自然植生に大別されます。代償植生は、人の手の入った森や草原。自然植生は人の手の影響の小さい森や草原です。人工林と原生林は対極にあり、人工林は最も人の手の入った代償植生ですし、原生林は最も人の影響を受けていない自然植生です。

 

 人工林ではスギやヒノキ、アカマツ、寒冷地ではカラマツが多く植えられていますが、必ずしも自然の適材適所に準じて植林されているわけでは無いと言えます。原生林は自然に芽生えた草や木々で構成されていて、その土地の気候や地形地質に適応し生き延びてきたものだけが作る景観です。

 

 森の階層構造も違います。手入れのされていない人工林では森の上の方だけに緑があって下層には植物がなく、高木層だけの単純な層構造になっています。原生林では高木・亜高木・低木・草本層と多層構造になっています。

 

 土も違います。手入れのされていない人工林では、下層植物が乏しく土壌生物も貧相で土も耕されず、団粒構造もつくられにくく、しかも直接地面を叩く雨滴で壊されやすいので、その土は手で握ると潰れてねっとりし、雨がしみ込みにくいために大雨がふれば水は浸み込まず土の表面を走っていきます。それが土をうがち、水の道を削り、濁流となって流れていきます。これが大規模になると山の斜面ごと滑って土石流となります。原生林では多くの種類の植物の根が張り、様々な大きさや形の根が土を耕します。土壌生物も豊かで団粒構造が発達し、大雨が降ってもふっくらと隙間の多い土が雨を受け止めてしみ込ませていきます。

 

 景色も違い、自分たちの心の感じ方も違います。

きらめ樹フェス2015

毎日新聞様より